【読書】「日本が売られる」を読んだ

「日本が売られる」を読んだ。
友人お勧め(?)の書籍とのことで、貸してくれた。
どうも、その友人はLineを利用しておらず、その理由として上記の本にLineの利用は危険(?)と書かれたそうで、利用に躊躇してたようだ。(現在は利用中)
というわけで、どのような内容なの興味もあり、読み進めることにした。

内容は、ざっくり言えば、公共サービスの民営化等を機に海外の企業が参入し、
日本のリソースを食い物にされるので気をつけろといった内容だった。

政治経済や世界情勢についての知識の乏しい私にとって、
正直いって、内容が正しいのか判断できないところが多いが、
いくつかの事柄に関しては、海外の民営化の事例を基に、
日本でも同様の事が発生するだろうとの旨が書かれていた。
ただ、比較対象の海外の事例と、日本の事例では前提条件がまったく違う事例もあり、
比較すること自体間違いだろうと感じる事例も多かった。

水道のこと

例えば、水道民営化のボリビアについては、
民営化する前の公営時代、水道サービスをまともに提供できておらず、
水の供給が正常に機能してなかった。そのため、市が企業に依頼したとのことだ。
つまり、市が水道サービスの維持や拡張をできないほど、それが困難な状況にあったようだ。
日本とはまったく状況が違う。

ただ、上記のように強引な議論が多い内容ではあるが、何故国が水道を民営化しようとしてるのか
よくわからない。民営化すれば、市場競争で質も料金も良くなるとのことだが、
水道でどのような競争が発生するのだろうか。
携帯電話はいくつかのキャリアから選択することができるが、水道の水はそんなことできないのでは?
もし民間企業が水道サービスを提供することになったら1つの企業のみとなり、
料金もその企業が設定した額になり、質もその企業に依存することになるため、良くなるとは思えない。

現在、水は松山市なら松山市が提供しており、
管理するのもその水を飲んだり料理に使ったりしている松山市のスタッフが行っている(はず)。
そのため、質等にも気をくばっているはずだから、飲めない水になるはずがない。
これが、民間企業の、しかも海外の企業が行った場合、
現在の質を維持し、費用も安くなるとは思えないのだが。どうなんだろう。

個人情報が売られる件

上記の水道だけでなく、農業や漁業、林業等についても書かれており、内容も似ている。
国が目論んで(?)国内のリソースを外資へ売り払おうとしているといった内容になっている。
なんだかちょっと陰謀論ちっくである。全項目についていえることだが、
エビデンスが少ないため正しいのかどうかよくわからない。
こじつけた説明で無理やり恐怖を煽っている感もある。

さらに、「LINEとマイナンバーが合体」との項目があり、
LINEサービス内にマイナンバー等の個人情報が保存されるとの記載があるが、
これは間違いである。
内閣府の以下のページに該当のサービスの内容が記載されているので興味がある方は読んでみるといい。
https://www.cao.go.jp/bangouseido/myna/index.html

得に以下のLINEとの連携の説明について。
https://www.cao.go.jp/bangouseido/pdf/line_renkei.pdf

LINE内でマイナンバーや氏名等を入力する箇所はない。
LINEからマイナンバーのポータルへ移動できるだけで、マイナンバー等の情報LINEへ保存されることはない。

おわりに

センセーショナルな内容ではあるが、上記のマイナンバーの件もそうだが、
確度の高い情報かといえば微妙なところだ。
話半分ぐらいと考えておいた方が良いだろう。
ただ、エビデンスうんぬんはおいておいて、
本書は日本が売られる可能性を指摘しており、
その可能性がまったくないわけではないことを留意し、
頭の片隅に置いておくことは有益だと思う。