「住みにごり」復讐か愛か、森田の謎とQaseの挑戦

いつものポッドキャスト「We Are On The Way」第36回では、ジムへ向かう車中で最近ハマっている漫画やアニメ、そしてそれぞれの仕事についてたっぷり語り合いました。

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漫画『住みにごり』の最新刊を語り合う

まず話題に挙がったのは、以前から僕が熱心におすすめしていた漫画『住みにごり』についてです。竹内は最近になってようやくその魅力に取り憑かれたようで、ついに最新刊である第7巻まで一気に読み終えたとのこと。読み進めるうちに登場人物の変化や、物語の核心に迫る展開に強く惹かれた様子でした。

彼の話によると、物語が進むにつれ、主人公たちの成長や心理描写の深まりが印象的で、特にお兄ちゃんと呼ばれるキャラクターの変化が目を引いたとのこと。最初は純粋で素直だった彼が、森田という女性や父親に対して次第に冷たく突き放すようになる姿に、「お兄ちゃん、強ぇな」と思わず感嘆したそうです。

僕も最新まで読んでますが、兄の部屋に土を敷いて植物を育てているという謎めいた行動や、なぜ引きこもるようになったのかという背景はまだはっきり描かれておらず、読者の好奇心をかき立てます。今後の展開がますます気になるところです。

さらに、物語後半では森田と父親が突然姿を消すという衝撃的な出来事が描かれています。僕は、この出来事が家族関係の崩壊後に森田が父親との関係を再構築しようとしている兆しではないかと考えていますが、竹内の見方は違いました。彼は、森田の動機は純粋に復讐であり、愛情が再燃することはないと考えているようです。このように異なる視点から作品を読み解くことができる点も、『住みにごり』の魅力の一つだと思います。

アニメ『バビロン』と『キノの旅』の話題

続いて話題に挙がったのが、竹内が最近U-NEXTで視聴したアニメ『バビロン』について。物語は、曲世愛という謎めいた女性が「ささやくだけで人を死に誘導する」という超常的な能力を持っているところから始まります。その設定に惹かれて見始めたそうですが、次第にストーリーの方向性に違和感を覚えたようです。

特に問題だと感じたのは、法の網をくぐるようなテーマから始まったにもかかわらず、途中から物理的な暴力(指の切断など)が登場し始めた点。竹内は「テーマがブレてしまった」と指摘し、せっかくのユニークなアイディアが途中で台無しになってしまった印象を受けたとのこと。政治的要素も含まれているが、それが物語の本質と噛み合っていなかったとも感じたようです。

一方で、『キノの旅』というアニメも視聴中とのことで、こちらは非常に楽しんでいる様子でした。2000年代前半に放送されたシリーズのリメイク版を見ており、主人公キノが相棒のバイクと共に様々な国を旅し、それぞれの国の文化や人々との交流を描く短編集スタイルの物語。残酷さや皮肉を含んだ展開も多く、大人でも深く味わえる作品だと語っていました。僕も昔少しだけ見たことがあるので、懐かしさも感じました。

仕事や技術的なプロジェクトの近況

話は仕事の話題へと移り、竹内が現在取り組んでいるテスト自動化のプロジェクトについて詳しく教えてくれました。彼のチームでは、「qase.io」というテスト管理ツールとPlaywrightを使ってE2Eテストを統合し、その結果をQAチームと円滑に共有できるようにしようとしています。

今の課題は、仕様書からAIを活用して自動的にテストケースを生成する部分で、現状ではテストの質や数に課題があり、本格運用には至っていないとのこと。また、AIが人間ほど柔軟にコンテキストを把握できないため、あらゆる状況を明文化する必要があり、その手間と限界についても語っていました。

また、僕の方からはWi-Fi HaLowという通信技術について話題を提供しました。これは、低周波数帯で通信することにより、遠距離でもデータをやりとりできるという特性を持ちます。ただし、通信が不安定であるため、リアルタイム性を求める用途(映像や音声など)には不向きであるというデメリットもあります。

竹内は、こうした制約のある技術だからこそ、逆にクリエイティブな使い方ができるのではないかと前向きに捉えていて、かつて携わったGPSを活用したモノレールのリアルタイムマップの開発プロジェクトを懐かしそうに語ってくれました。

そのプロジェクトでは、実際に自転車に乗って線路近くを走行しながらGPSの動作を検証し、トンネル内でGPS信号が切れる際には加速度センサーから移動を予測するという工夫も凝らしていたとのこと。現実の物理空間とソフトウェアが連動する感覚が楽しく、今までで一番やりがいを感じた仕事だったと振り返っていました。

今回のポッドキャストも、筋トレの道中とは思えないほど充実した内容となり、漫画やアニメといった娯楽から最先端の技術まで、幅広い話題で盛り上がりました。次回もどんなテーマが飛び出すのか、ぜひ楽しみにしていてください!

今回の話に出てきたツール等