【読書】サピエンス全史(上)を読んだ
- 06 Sep, 2018
サピエンス全史(上)を読んだ。
昔は、とても歴史が好きで、歴史学科を受験しようと思ったこともあるほど好きだったのだが、最近は歴史を全く嗜んでいなかった。
今回、非常に面白いと評判のサピエンス全史から手始めに、また楽しんで歴史系書籍を定期的に読んでいこうと思い読み始めた。
また上巻しか読んでないが素晴らしい本だと思う。得に認知革命の章がよかった。
目には見えないものを信じる力
私は、この本を読むまでは宗教に対する認識を誤っていた気がする。また、この書籍で登場する株式会社や法律の事を虚構だとの認識がなかった。
宗教と株式会社や憲法などは同じく虚構な存在で、物理空間に存在するものではない。そうのような幻のような、物理的には存在しないものをあたかも存在するとみなすことで、大きな力を得ているのが我々人類、サピエンスだとこの書籍に書かれていた。
なるほどなと思った。確かにそうだなと思った。
とちらかというと、宗教を信じる人と会社のルールや国のルールを信じる人とでは、まったく別者といった感じを受けていたが、今では、同じく虚構を信じる者だとの認識になった。
物理空間には存在しないものをあたかもあるように仮定もしは確信することで、人同士が協力できたり、エネルギーを取り出したり、新しい世界が見えてくる。
これが、サピエンスの認知革命で得た力であり、他を種にはない特殊な力のようだ。
我々はこの力のもっと自覚すべきだと思った。私も含め無自覚の人が多いように感じる。
農業革命で見えない秩序が拡大
農業革命以降、人類は時間と空間の推論を可能にした。というよりも、農耕でその推論が必要になったのだろう。
そのためか、人間の認知は更に拡大していった。虚構・神話は沢山の人が信じることができるように拡大・技巧的になっていったようだ。
多くの人に信じられる・支持される神話というのは、当たり前だが理や利がなくてはならない。そのため想像上の秩序やヒエラルキーができ上がった。
現代でもそうだが、我々が沢山の人と協力するには、それがただの幻にせよ秩序が必要となる。
この秩序を作る上で重要な役割を果たしてきたのが言語だ。我々が信じている神話は言語で形作られているとも言える。
日本憲法も交通規則も会社法も言語空間の中にある。まさに「はじめに言葉ありき」の通りである。
このような秩序やヒエラルキーは、沢山の人が同じ目的で行動するに有用だが、我々の行動や思考を束縛するものでもある。
生まれながらに既にこのような価値観を無自覚に植え付けられる事になる。解放されるには、束縛しているものが何なのか知覚し、それらがただの幻想なのだと知るとことが一番だろう。
3つの秩序(貨幣・帝国・宗教)
貨幣・帝国・宗教、この3つの秩序が世界を1つにしつつあるって話。
この3つの中で一番強力でグローバルなのが貨幣だ。貨幣という想像上の存在をほとんどの人が信じることができる。もちろん私も信頼している。ベトナムで全く言葉が通じないおばちゃんからバインミーを購入できるのも貨幣ゆえのことだ。
人々は互いに理解不能な言語を話し、異なる規則に従い、個別の神を崇拝続けたが、誰もが金と銀、金貨と銀貨を信頼した。
貨幣がもっとも強力な神話と言えるだろう。
次に帝国についてだが、私にとっては、いまいちイメージしづらい項目だったが、帝国とは、多数の民族と文化を持つ政治的秩序のことをいう。さらに、国境は無きに等しく領土は無限蔵に増殖可能な政治的体制のことらしい。
日本はどうなんだろう。昔は「大日本帝国」と言われ、多くの植民地を持っていたので帝国に分類されるのだろう。今はどうだろうか。米国が主催するグローバル帝国の一員のようにも感じる。
帝国主義は悪いイメージがあるが、それが良いか悪いかは別として、現在の素晴らしい芸術や科学技術は帝国的秩序のよるところが大きい。もちろん、帝国に飲まれて消えた多くの文化があったのも確かだろうが。
おわりに
中途半端だが、宗教からが下巻となる。引き続き下巻も読み進めたいと思う。